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山口 紀子*; 渡部 陽子; 川崎 晃*; 井上 千晶*
Environmental Radiochemical Analysis III, p.52 - 57, 2007/00
リン酸肥料には90740mg/kgのウランが不純物として含まれているため、長期間農地として使われてきた土壌にはウランが蓄積している。ウランは土壌環境下において広く存在する物質であるため、肥料由来のウランが公衆の線量に与える影響を評価するのは困難である。しかし、ホウレンソウのようなアカザ科の植物は、ほかの農作物と比べ、よりウランを吸収するということが知られている。農地に存在する微量ウランによるリスクを評価するため、発表者らは、リン酸肥料によりウラン濃度が上昇した可能性のある土壌で栽培されたホウレンソウによるウランの吸収について調査した。その結果、ホウレンソウ葉部には2.36g/kg乾、茎部には0.23g/kg乾のウランが吸収されて存在することがわかった。また、これらのウラン濃度は鉄及びアルミニウム濃度と相関関係があった。したがって、ホウレンソウによるウランの吸収は鉄やアルミニウムの吸収に伴って起こると考えられる。